「質量則 (しつりょうそく)」
「質量則(しつりょうそく)」
壁などの素材が高密度で質量が重ければ重いほど、
音を遮る遮音性能(透過損失)が高く、周波数が高い音ほど
遮音されやすい法則の事を「質量則」(しつりょうそく)といいます。
とても重い、鉛遮音材が絶大な防音性能を持つのはこれが主な理由です。
もちろん厚みが厚ければ厚いほど、重量も増しますので
高い効果を発揮します。
グラスウール・ロックウールの高密度品ほど遮音性能が高いのも、
この理由が主です。この2点は遮音だけでなく、高い吸音性能も
持ちますので防音工事には欠かせない材料です。
(※いずれも重いほど高性能ですが、価格も高くなります)
「石膏ボード」も、安くて非常に重量のある材料なので、この観点から言えば
非常にコストパフォーマンスの高い材料と言えます
(通常の石膏ボードであれば数百円で買えます。遮音のみだけでなく耐火性能にも優れます)。
よくお客様からのお問い合わせで「吸音スポンジを貼り音を漏らさないようにする」、
と言う様なお話しをききますが、この質量則の理論と照らし合わせると
ほぼ間違いと言えます。
(室内での反響音の吸音と遮音を間違えられている場合がほとんどです)
ある程度の重さがあればそれも可能かもしれませんが、スポンジでは
重量があまりにも軽すぎ、吸音はするものの、遮音にはほぼ効果がありません。
(もちろん厳密に言えば無いよりはましですが)
ただ、マンション等の構造によっては重量のある壁でも、縁が切られてない
事で、充分に防音性能を発揮しない場合もあります。
質量則とは、あくまでも「重い方が大きな音のエネルギーを止めるのに効果的である」という
防音の要素の一つとなります。
防音の専門用語集
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